月下逍遥

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菫によせて

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庭の というか裏山の裾の日当たりのいい斜面に スミレが咲きだしました。
桜のような華やかさもなく 待ち焦がれられているわけでもないけど、あ、咲いている、と見つけたときはうれしい 春の妖精。

昨日 一つの葬儀に参列してきました。
お知らせをいただいたときは少々戸惑いがあり、どういう立ち位置でいればいいのか迷いました。
亡くなられたのは、お稽古していただいている先生の先生、大先生です。

私が昨年 おずおずと伺った春ごろ、入退院を繰り返している、ということでしたがお元気にお稽古場においでになっていました。
おいでになるのは昼の部のみだったので、その後 夜の部へ伺うようになって大先生には二回ほどしかお目にかかりませんでした。
どうも そのときがお元気だった最後、だったようです。
私は大先生に御挨拶しお声をかけていただいた最後の孫弟子になったようです。

とてもやさしい穏やかな方、でもふっと底のところに厳しさが垣間見えるようなそんな方でした。
その厳しさを素人のお弟子さんやましてや孫弟子に向かわせることはむろんありませんでしたが、きっと御自分は厳しい修行をなさってきたのだろうな、と感じさせる方でした。
お稽古してくださるのは先生で、大先生は 最後に一言二言 声をかけてくださるのでした。

「手で打つのではありませんよ 胸で打つのですよ」
と 今日のお天気はいいですね、というような調子でおっしゃった一言は、あれから私のこころの中から消えたことはありません。

そういうお話をお稽古仲間の皆さんに話した時に え そんなこと言ってもらったことないわ~、と少し驚かれたので、なんかの拍子でふと 伝えたくなったのだろうか、と今になっては思い返すだけです。

近親者のみで、と伝えられた葬儀は簡素で、清々しく、亡くなられた方を思う人たちで、その人たちの思いが満ちていて、今まで私が参列してきた中で「私もこういうふうに、、、」と思わされたはじめてのものものでした。
きっと大先生のお人柄、なのでしょう。

最後のお見送り
能楽師さんたちの 低いけれど力強い、 謡 に送られて 大先生は旅立っていかれました。

私は浅いご縁でなにも存じあげず こんなことを言ってはいけないのかもしれないのですが、その道を生き切った方、と感じました。

真似なぞできないけど、そんなふうに思える先人に出会えたことは 幸せなことです。
大先生 ありがとうございました。
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by fuko346 | 2013-03-27 19:09 | おもいつれづれ | Comments(4)
Commented by つきのこ at 2013-03-28 22:07 x
こんばんは、
菫、同じ時期に咲いたようですね。

大先生のご葬儀があったのですか。
芸の伝承ということから考えると、
お知らせいただいたこと、そして参列されたこと
良かったのではと思います。

いつか私も師匠を見送る、
そんな時がいつか来るんですね、、、、。
う〜〜んと長生きしていただいて、
出来の悪い弟子を厳しく指導していただきたいと
願うばかりです。






Commented by fuko346 at 2013-03-28 22:32
つきのこさん
そちらも咲きましたか 春はどんどん進んでいますね。

はい、参列させていただいて良かった、と思っています。
なにか 教えていただいたような気がします。

私の師匠は大先生の芸養子なので 私よりだいぶお若いの。
こちらがよれよれになって、、、いつまで京都まで通える
でしょ。って申しあげたら 京都にマンション買って
移ってきたら、と 笑

そうしたい~~~~~。
Commented by 神奈川絵美 at 2013-03-28 23:00 x
こんにちは。ご葬儀のお話なのに見当違いかも知れないですが、拝読して何か心が安らぐような気がいたしました。
私も、人からそう思われる人生でありたいなあ、と。

スミレ…今日、三色スミレに似た新しい帯が届きました。すみずみまで、春がきましたね。
Commented by fuko346 at 2013-03-30 11:55
神奈川絵美さん
こんにちは~~~。

むろん近しい方の哀しみは深い、とお察しします。
私、これまでこの年齢にしては 葬儀にだくさん参列してきて、お葬式無用派、だったのですが、今回は こういうお別れならしてほしい、と感じました。
でもそれは個人のお人柄、なんですよね、、、
少しでも近づけるようになりたい、です。

スミレの帯、拝見しました。
素敵ですね、春のお出かけがずん、と楽しくなりそうな。