月下逍遥

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カテゴリ:和遊び(ほぼお能・大鼓・能管)( 60 )

謡講 と 早春の帯

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シボの高めのぽってりした生地に たんぽぽ わらび すぎな の早春の帯。
一番 ぴったりの時期は春待つ気持ちの高まる 二月の半ば過ぎごろではないか、と 自分では思っているのです。ぎりぎり 三月初旬になんとか 間に合いましたか。

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いそいそ出かけたのは 
第51回 謡講 京の町家でうたいを楽しむ =杉本家にて=
井上先生が続けている 灯りを消して 薄闇の中で 謡だけ を楽しむ 催しです。
私がお能に興味を持った きっかけでもあります。先日 国立能楽堂で久しぶりに 聞いて、やっぱりいいなあ、と感じ、予定が合ったので 久しぶりに 参加しました。
五目謡 (謡のしりとり)
独吟 養老
能  花筐(はながたみ)
一曲を四人の能楽師さんの 謡のみ で聞かせます。
この催しはもう 何度も伺って その都度 いいなあ、と思うのですが 今回は その中でも群を抜いて 良く感じました。
といって なにがどう とは言えないのですが 次第に今いる空間に 一人だけが ぼんやり浮いているようなな そこに謡の声だけが 身体の奥に響いてきて あるかなしかに シテを舞う姿が見えるような。
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こちらの面(おもて)と装束を拝見していた からかもしれません。
杉本家の何体もの 時代をへた立派なお雛さんたちが 見守っていたから かもしれません。
謡 という 心地良い海に ゆらゆら漂っているようでした。
一時間弱の時間だったはずなのですが ぼうっとしているうちに もうおわり、の調子になってきて あれと思ったら ほんとに終わってしまいました。 30分もたっていないような感覚、ずっと聞いていたい気持ち。

お能って 不思議なもので その時一回の 気 のようなものがあって その周波数にこちらが 同調すると なんとも説明のしようのない快感を得ることができます。 そうそう行っているわけでもないので そういうことが起こるのは ほんのたま にですが、一度感じてしまうと はまってしまう類の感覚なのでした。

生きていいくのは その時一瞬の小さな喜びのかけらを拾い集めて そっとしかと胸にしまいこんで、それを糧にいくようなもので その喜びを感じられたことに 感謝するのでありました。

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きもの 月見草で染めた真綿紬 袷 霜垣さん作
帯   縮緬染帯 野口
帯締は淡い若草色 帯上は これも淡い黄色。
半襟は 自分で染めた うっすら淡い桃色とも藤井色とも。
(画像では色が出ていないので説明 自分の備忘録でもあるので ご容赦くだされ)
先日 仕立て直した 単の牛首の道中着をはおって ちょうど の気候でした。




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by fuko346 | 2017-03-05 11:58 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(4)

第62回 同明会能

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京都観世会館へ。
年に一度の 能楽囃子を中心にした 会 です。
私は お囃子を聞きたいので 今回は お腹いっぱい聞きました、までは行きませんでした。
お能は 少しでいいの というのは 少数意見なのかしらん。
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この日は 歩く仕様の姿でしたので お囃子のリズムに乗って どんどん歩く。
これは 円山公園の 有名な しだれ桜。
今の時期 この時刻 人影はまばらですが、もう少ししたら 凄いことになるのでしょう。
四条通りあたりは 観光客とおぼしき人が一杯で 少し驚きます。
これ以上 人が増えたら どうなるんでしょ。

ということで 人ごみを避け 薄闇迫る 小道を 京都駅まで歩きました。
運動 運動 京都はきょろきょろしながら歩くには ほんとにいい街です。


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by fuko346 | 2017-02-26 10:41 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(2)

蝋燭の灯りによる 国立能楽堂

過日 国立能楽堂へ。
京都では 日程が合わなくてずいぶんご無沙汰してしまった 井上先生の 謡講を聞きに行きました。  直前にチケットをお願いしたものが手に入り ありがたや。
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常には町屋の軒先につるされている 提灯。
なんだか今日は 他所いきのお顔をしています。
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蝋燭能はなんどか拝見したけれど 今回の蝋燭はそれは たくさん。
人工的な明かりは ほんの少しで上演されました。
大きな和蝋燭が 橋掛かりから 舞台まで ずらりと並んでいます。休憩のときには 芯切もして そう見ることのない体験でした。
お能 これくらいの灯りが いいなあ、あかあか あからさまに見えないほうが美しいなあ、と思うのでした。

演目は 謡講。 京観世の謡を 井上先生が。
今の謡と違い 京の町衆たちが謡ったものは ゆるやかなのですが 上げ下げがけっこうあり、ほんとに うたっている と感じられるものです。
お能を 町衆のもの に変化させてしまった、のでしょうか。
耳に心地よいものです。
三月の京都での謡講には行けそうなので 楽しみです。

お能は 八島 喜多流 弓流し 那須与一の語り
 地謡とお囃子がすばらしくて うっとりしてしまいました。もちろん おシテが良くなければ 何も始まらないのでもちろん なんですが 何というのでしょう 全員の気が入っていて 気があっている、というか、そういうお能は そうそう無くて 出会えたことが 幸運 でした。 

上京しているときに お能を一つ とは いつも思うものの、なかなかうまくいきませんが 今回は めでたし めでたし でした。




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by fuko346 | 2017-02-23 11:42 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(2)

 能 定家

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2016 11 26 大津伝統芸能会館
能 定家  見方 健師

その前に歌人 林 和清さんのお話あり

このポスター 当日と衣装の感じと 面(おもて)が違うのではないか、と思います。

まずいつものことで 今回は 成田達志師の小鼓の音に ぐんとこころを掴まれます。
いい音だこと。
お囃子 地謡堪能。

そして 定家かずらのからまった 塚のおおいが しずしずと下ろされて 式子内親王の霊が 現れた瞬間、それを見た瞬間。
あれは なんと言いあらわせば いいのでしょう。
その存在そのものに ぐっと魂が引き寄せられて 言葉を失うような そんな感じ。
あれは なんなんでしょう。

美しいものが ある。

あの面(おもて)は なんなのかしら。
うれいを帯びてはいるけれど 乙女の可愛らしさが うっすら浮かんでいるような。
人を恋うる 恋われる 喜びと 悲しみと 羞恥を含んだような。

動きは老人のもの その図太い声 なのに、そうは見えない 聞こえない。
現実と 感じているものが違う その違和感。
ふと 頭に 老木の花、という言葉が浮かびました。
お能には 詳しくないので いいかげんな 印象だけ 自分の記録として書いています。
今日は 良いものを 見せていただきました。

今日のきもの
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きもの 紬 胴抜き 染色iwasakiさん 
帯   紬地 しゃれ袋
きものの 布そのものの美しさが写真に撮れなくて 作った方に申し訳ないといつも思うのでした。

車で小一時間なので ショールだけを持っていきました。



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by fuko346 | 2016-11-26 23:49 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(0)

求塚 2016.11

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求塚 おシテ 味方 玄師
お能が好き、といって いったい年に何回 観能に行けているのやら、です。
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見所の改装なった 京都観世会館です。
椅子席に少し余裕ができて それに座り心が良くなっていました。

求塚って どうとらえるかでたぶん ものすごく違ってくるのだろうなあ、と拝見していて思いました。
以前 大槻で 友枝さんのものを見ているので そう思っただけ、なのかもしれないのですが、違う演目を見ているような気になりました。
お能って そういうものなのかもしれませんけれど。

特に女性のこころの奥底を 表すようなものは そうなのかもしれません。

いつも 音に惹かれてしまう私は この日の笛の音に とらわれていました。
杉師の笛、以前と違うものをお使いなのでしょうか それともなにか が 変化したのでしょうか。
深い 深い 音に 浸ったことでありました。

感想書くのもおこがましいほど いつまでも なにも知らない分からない お能好きですが、自分への覚書、です。



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by fuko346 | 2016-11-07 09:55 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(0)

藤戸

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パンフレットより

9月19日 大津伝統芸能会館
狂言 膏薬煉
能  藤戸
おシテは 片山九朗衛文門 師 

藤戸は殺されて 海に沈められてしまった海人と その母の恨みを陰々滅滅、、、、と。
この 面(おもて) かわず  に惹かれるのでありました。
水死人の相をうつした、といわれ なんともいえず うつろで 静かで 諦念もあり 魅力的なのです。
この面をつけ 水衣の衣装をつけた おシテは もう 亡者そものもの。

恨みは述べるのですが 舞っている姿はもう そんなことはどうでもよい、ようで、最後に供養で恨みを捨てて去っていくのですが それも どうでもいいようで。
というか 彼は そういう次元には もういないようで。
ただ 今一度 現れ居出て 舞ってみたかった そんな感じがするのでした。

これを演じるのは 難しいだろうなあ、と 感じました。

さて この日は ちょっとおしゃれしてきものを、と思っていたのに 前日 むし暑い奈良を歩いて 疲れてしまい、夜 準備をする気力なく、能楽堂に行きつくだけで 精一杯。
お能の間も うつら うつら。
見ているのか 夢なのか ふうわり 浮いているような。
こころに届く 気持ちのいい お囃子と地謡の声。
常ならぬ時間に 全身を浸しているような 贅沢な空間。

私の観能は こんなもんであります。

帰りがけに とても久しぶりに こんな場所で会うとは思いもしなった方に 出会い 驚きました。
へえ ご縁があるのだなあ。
といって この先 またお会いするかどうかは わかりません。

この次のお能はいつかなあ。
これもご縁のあった 講演に そろそろと 行くのでありました。

しかしなあ 私がお能が好きなのは 現世からちと 浮いている自分のありように 共振するからかも、とか思ったりもいたします。



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by fuko346 | 2016-09-22 00:30 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(2)

宵山能

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祇園さん 後祭りへ。
きもの 宮古上布 (古いものを仕立て直した品)
帯   会津からむし 八寸
この上布は 寺町にある ギャラリー啓さんで その布のはかなさに 驚いたもの。
糸の細さは限りなく 人の手でこれを績むことができる、ということが 信じられないくらいです。
着こまれていることもあり おそらくセミの羽根より薄いくらい。
すごみさえ 感じてしまう布 なのでした。
(ちっさい傷があったので 手に入れやすかったのです、新品は無理、です、、、)

だから、というわけでもありませんが、本日の取り合わせの中心は セミの帯留です。
これは確か てっさい堂さんで 帯留がたくさん入っていた小引き出しで 見つけて連れ帰ったもの、です。
小さい 美しい手仕事。
これもどういう経緯を経て 私のところへきたのか どういうご縁かわかりませんが、古いものを探すのも、きものの楽しみだと思っています。

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東からのお友達と待ち合わせて お昼は ごだん宮ざわさん。
このハモが 美味しくて。
そのあとは ちょっと北上してまだ日のあるうちの 屏風飾りなど眺めつつ、能楽堂 嘉祥閣へ。
宵山能 弓八幡
山鉾 八幡山 にちなんだものです。
神舞のお囃子が 心地良く ひさしぶりのお能に こころ うきうき。
今年で二度目の宵山能ですが 続けて拝見していけば 鉾や山の由来がよくわかるので できれば毎年参加したいものだと思います。

外に出れば日も暮れて とことこ南下していけば 
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後祭りは ゆったりしていて楽しめます。
なんたって 歩けますもの。
あちらこちらに 祇園囃子。
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すこうし お知り合いのお店 ミュゼさん で喉をうるおして 体験したかった 日和神楽の始まる時間を待ちます。
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八坂さんの神さんは ここ寺町四条の御旅所に鎮座しておいでです。
そこに各町から 日和神楽の一団がやってきて お祓いを受けます。
こちらは 大船鉾の皆さん。
途中で北観音山の皆さんもやってきて 祇園囃子の共演。
お囃子好き としては 一度来たかったのです この場所 この時間。
ほんとは10基 全部聞きたかったのですが 帰れなくなるので あきらめて 後ろ髪を惹かれつつ帰宅。
やっぱり 一度 お泊りで来たいなあ。
見てみたい 祇園さんの行事はまだまだいっぱいあって おそらく全部は無理でしょう。
毎年 ぼちぼち ぼちぼち いきましょうか。



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by fuko346 | 2016-07-25 10:58 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(4)

第61回 同明会能

能楽囃子好きの 年に一度のお楽しみ
京都囃子方中心の演目楽し。
今回は シテ方は 観世 喜多 金剛さん と三流で、見応えがあり、楽しませてもらいました。

お能は 白是界、というめずらしいものでした。
舞囃子6番、一調 独調一番 御囃 満喫。

お稽古をお休みしているので 久しぶりの皆さんとも 顏を合わせ ご挨拶もして 楽しい気分で能楽堂を後にしたのでした。


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ひさしぶりの きもので能楽堂。
きもの 真綿無地紬 袷 月見草で染めた 霜垣さん作
帯   縮緬地 染め名古屋 野口
根付は 鼓

この たんぽぽ つくし ほぼ無彩色 重め縮緬帯は どう考えても一月から二月、ぎりぎり着用です。

春らしさは 小物で。
帯締の房は 桃色、です。

今回は 安心 うれしい 自分らしい 取り合わせ。
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by fuko346 | 2016-02-28 13:02 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(4)

京都観世会12月例会

20日 京都観世会館へ

チケットをいただいて 久しぶりのお能。
簡単な覚書。
午後から行ったので前半は見ていません。
観世例会の12月は 満員で 大賑わいでした。
(能) 六  浦 青木  道喜師
(能) 龍  虎 田茂井廣道師
二つとも初めての演目。
といって そう見ていないので 初見が多いわけでもありますが。

六浦は もみじの精が 主人公。
さえざえというか深々というか 気持ちの良い舞台でした。
龍虎は 龍と虎の姿(頭の飾り)が あまりに意外で 驚いてしまいました。
もう それに目がいって 他は見えなくなってしまい、、、

お能って幽玄 幽玄 ってそれしかないようい言われることが多いですが、 もう えんたーてぃめんと、なのであるということを 再認識。

お稽古を休んでいるので 情報が入らず あ、面白そうな、と気がつくと もうチケットがない、とそんな具合で、声をかけてもらえるのは たいへん ありがたいことなのでした。
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by fuko346 | 2015-12-23 18:08 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(0)

重文で国宝

万作を観る会 本願寺南能舞台
うれしいことにお誘いいただいて こちらの催しに参加することができました。
西本願寺さんの 能舞台は重文。万作さんは人間国宝。

こちらの舞台は一度伺ったことがあるけれど、そのときはすごい人が多くて良く見ていませんでした。
今回 しげしげと拝見して そのすごさ を感じた次第です。

演目は
那須余市語 野村万作
悪太郎    野村万作 野村萬斎 石田幸雄

万作さんが語る 那須余市を見ているうちに 狂言を見ている 万作さんを見ているのではなくて その形の向こうに、えいえいと続いてきた 命が揺らめいているようで 不思議な気持ちになりました。

悪太郎は親子で演じておいででしたが 声も衰えていると感じる高齢の万作さんに目がいってしまいます。
ああ そうか。
この会は 万作を観る なのだ、と今更ながら思うのでした。
この場所で この舞いを。
そこにいなければ 感じられないものを ただ一度のものを 見せていただいた、のでしょう。
ご縁に感謝。

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唐門 です。
本願寺さんは 国宝級がぞろぞろ。一度ゆっくり見に来なくては。

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きもの 牛首紬 胴抜き
帯    紬地 紅型  宮城里子さん作(紅型はこの方のものが好き)
暑かったので 薄手の道中着 脱いでしまいました。
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約束をしたわけではありませんが、この日は三人ともきもの、でした。
京都は きものが やはり いいですね。
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by fuko346 | 2015-11-06 10:29 | 和遊び(ほぼお能・大鼓・能管) | Comments(6)