いつか行きたいと思っていた 観月能へ行くことができました。
宮島口からのフェリーに乗り 見えてくるこの景色。
訪れるのは二度目ですが、やはり 美しい。
早めに到着したので あちこち見学。
日が落ちかけて、、潮も満ちはじめ 期待が膨らみます。
席について 月に群雲。
能舞台の回りにも 水が静かに満ちて行き、それに従って これから始まるものへの期待も増して 胸が高鳴ります。
ここまでの景色だけで十分 美しいのです。
ここを作った清盛さんは、この美しさを求めていたのでしょうか。
どう 見たのでしょうか。
10月16日 第17回
友枝昭世厳島観月能 厳島神社能舞台 6時45分~
・仕舞
「実盛 キリ」出雲康雅
「三輪」粟谷明生
「熊坂」友枝雄人
地頭:長島茂
・能「経政 鳥手」
シテ:友枝昭世
ワキ:森常好
笛:杉市和 小鼓:横山晴明 大鼓:亀井広忠
夢に漂ったような、それでいてかすかな緊張を含んだ時間は あっと言う間に ほんとに飛ぶように過ぎました。
友枝さんの 経政 はまだういういしい、という表現をしたいような美しい青年に見えました。
烏手、という小書は 笛が 琵琶の音を奏でます、その音に呼ばれてふうと漂い出てきてしまった幽の者。
その戸惑いまでが 感じられるようで。
たぷり たぷりと波の音。
その波の動きにつれて ゆらめく光。その光が面に映えて 見えている世界そのものが揺らいでいるようです。
今 ここにしか現れない世界、を見せていただきました。
終演後 あっという間に観客も引き、静かに浮かぶ能舞台。
夢のあと。
現実に戻って。
この日は
ゲストハウス菊川 へ 一泊。
能の終わるまで待ってもらって 美味しい食事をいただきました。
貝類は得意ではないのですが、はじめて 牡蠣を美味しいと感じました。
もちろん 他のお料理も。まだ続く興奮を胸に就寝。
翌日も あちこちたくさん歩いて 宮島を堪能。
着いた日には お能の前に身を清めるのもいいいのでは、と温泉にも。
錦水館へ立ち寄り湯。 独り占めで楽しみました。
・含弱放射線-ナトリウム-塩化物冷鉱泉
先日の白木峰も美しい時間でしたが、それとは又違う 美しい時間を味あわせてもらいました。
こちらに何年か前から通っている お能友達に お世話になって、、、
ご縁をいただいて ありがたいことでした。